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同じ高さに盛られた升が並び、端に桁違いに大きな米樽がある土間を見上げる橙子の水彩画

HOW TO READ

平均のところに、誰もいない

橙子(大正から来た子)
橙子(大正から来た子)
ねえ京、「平均のお給金」って書いてあったら、みんなそれくらい貰っているということ?
京(統計局案内人)
京(統計局案内人)
それが、そうとはかぎらないんです。ひとりだけ飛び抜けた人がいると、平均はその人に引っぱられます。絵にしてみましょう。
10人の年収を、低い順に並べると 平均 600万円 中央値 325万円 ふつうの9人(270〜450万円) 3000万円 → 平均の線は、9人の誰よりも上にある

※数値は説明用の仮の例です。

橙子(大正から来た子)
橙子(大正から来た子)
あら。平均の線のところに、誰もいないじゃないの。
京(統計局案内人)
京(統計局案内人)
そこが肝心なところです。10人のうち9人は270万円から450万円のあいだにいます。それでも平均は600万円。ひとりだけいる3000万円の人が、全体を持ち上げているんです。
橙子(大正から来た子)
橙子(大正から来た子)
じゃあ「平均は600万円」って言われても、ほとんどの人には縁のない数字なのねえ。

平均値とは

全員の数字を足して、人数で割ったものです。いちばんよく使われる「真ん中」ですが、 極端に大きい値や小さい値があると、そちらに引っぱられます。

上の例では、9人ぶんの合計が3000万円、大金持ちひとりで3000万円。 たったひとりが、残り9人と同じだけの重みを持っていることになります。

中央値とは

全員を順番に並べて、ちょうど真ん中に来る人の数字です。人数が偶数のときは、 真ん中ふたりの平均を取ります。

こちらは、いちばん上の人がどれだけ飛び抜けていても動きません。 3000万円の人が3億円になっても、中央値は325万円のままです。 「たいていの人はこのあたり」を知りたいときは、こちらが向いています。

京(統計局案内人)
京(統計局案内人)
年収や貯蓄のように、上のほうが大きく開いている数字では、平均値と中央値がかなり離れます。ニュースで「平均年収」を見て自分と合わないと感じたら、たいていはこれが理由です。
橙子(大正から来た子)
橙子(大正から来た子)
わたしの時代も、長者番付なんてありましたけれど……あれを混ぜて平均を出したら、たいへんなことになりますわね。

どちらが正しい、ということはない

平均値は「全体でいくらあるか」を人数で割った数字です。国全体の給与総額を知りたいときには、 こちらでなければ意味がありません。

中央値は「まんなかの人はどうか」を表します。暮らしの実感に近いのはこちらです。 知りたいことによって、使う「真ん中」が変わります。

Countopiaで使っているのは

この国の窓口に出てくる「平均」は、ことわりのないかぎり平均値です。 もとの統計が平均値で公表されているため、中央値は計算できません。 暮らしの見積所の給与も、県ごとの平均値です。

ですから、県の給与が高いからといって、その県の人がみな豊かとはかぎりません。 県のなかにも、上の例と同じような開きがあります。

橙子(大正から来た子)
橙子(大正から来た子)
数字がひとつ出ているだけでは、まだ何も分からないのねえ。
京(統計局案内人)
京(統計局案内人)
そのとおりです。その数字がどうやって作られたかを知ってはじめて、読めるようになります。